自叙伝 直属上司との溝

スタバ太郎 写真

もう18年近く前の話を持ち出すのはどうかと思うけど、今でも忘れることのできない事件が起きた。表面上、非常に優しいその人は物腰が柔らかく良き上司に写っていた。しかし、ある事件をきっかけに私はその直属上司に見切りを付けた。そして、私がその会社組織に疑問を持つきっかけになった。

それはその上司が私も見守る目の前で大きなミスを犯したのだった。実はそのミスはいつ起きてもおかしくない内容。その作業では誰もが緊張する。そしてやらかした。手順を間違え、全員が凍り付いた。そこからその人の人間性が問われるような事件へと発展していく。

なんとサブで一緒にやっていた私の後輩にそのミスを押しつけたのだ。ミーティングで公然とミスを押しつけ、そしてすべて後輩のせいだと言う。普通ならその場で大騒ぎになるだろうけど、何と後輩はそれを仕方ないという思いで受け入れてしまったのだ。本当は怒りが収まらなかったはず。

実はその1年ほどの前にその組織に私は着任していたけど、上司からある言葉を聞いていた。「下請けを雇うのはいざという時のクッションみたいなもんだ」と。「不況など予期せぬ状況でその下請けを切らざるを得ない場合もある。自分たちを守るために」。この構造は今の非正規雇用の実情とマッチはするけども、自分のミスを下請けに押しつけ、自分の身を守るという行動に出て良い筈がない。

私はそのミスを押しつけた上司の行動には賛同できなかっただけではない。人として尊敬もできないし、その組織自体から身を引く覚悟をずっと持ち続けることになった。その1年後にその上司は現場を去った。本社へと栄転していった。のし上がっていく男として私の中に生きている。もう忘れない。

そういう人には絶対になりたくない。

栄転して行った後にその上司に仲人を頼んだ人達もいる。実情を知る知らないにかかわらず、私は残念な思いだけが残った。知らぬが仏なんだろう。

その数ヶ月後に後輩は退職していった。

悔しいという思いもあるだろうけど、その組織体系に疑問を持ち、他への異動を考えていることも聞いていた。ある意味、踏ん切りが付いたのかも知れない。

私は今もその後輩とは仲良くしている。もうその事は言わなくとも2人の中にはその事件は今も忘れぬ過去の1ページとして刻まれているだろうな。あの組織を離れて思うけど、責任のなすりつけでこの世の中が上手く回るのはその時だけ。長い人生で見た時にきっと地獄に堕ちるだろうと思う。私はそういう上司にはならないと決めている。ミスは潔く認めてしまう。それでいいと思っている。何も格好付けることもない。自分を守る術は別に作っておくべきだと思う。

上司の行動は守りとは言わない。裏切りであり、人として失格なだけ。

会社を去るまで私はその上司の下で働いていた。最後は営業所全員が集まる送迎会をしてくれた。心の中ではその上司から離れられることが本当に嬉しかった。組織統制ができず、年上の部下から散々舐められていた。残念な姿を横目に私は退職した。彼との想い出はたくさんある。でもすべて水に流した。その組織を離れた後も執拗に電話が来た。私を利用して仕事を取るというものばかりだった。乗るはずもない。

もうその人からの連絡はない。311で被害を受けたんだろうけど、連絡を取る理由もない。

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2 Comments

  1. Tim より:

    スタバさん

    こんにちは。状況は違いますが,私も気持ちがわかる気が致します。
    上司の態度が,考えが許せない,理解出来ない。
    これをこの数年間,あるいはそれ以上,ずっと私も考え続けています。
    毎日悩んでいます。

    私は力がないので悶々としながらも居続けていますが,機会があれば外に出て行ってやろうと。
    しかし,今の実力ではそんな事も出来ない。
    なので,忸怩たる思いで,いつもと変わらぬ職場で,いつもと同じ仕事をしています。
    そこにいれば給料がもらえる。
    そんな甘い気持ちで。

    そんな私こそ,言っている事とやっている事が全く違うではないか。
    その事を誰よりも自分自身が良く分かっているんです。
    なので,毎日毎日が辛い。
    現状を打破するためにもっとも大切なのは,やはり英語力を身につける事。
    もちろんそればかりではありませんが,必要不可欠な事。

    悩みとともに,頑張るほかはありません。
    とりとめなく,すみません。

    • スタバ太郎 より:

      Timさん

      お返事遅くなりました。なかなか気持ちの整理がつかなく、こんなに遅くなってしまいました。
      私の中で結論はでました。また今年の終わり頃に書きます。まだ書くべきことではないと
      思ってます。悩みに悩んだ末の決断です。今年、5つの決断をすると年始めに
      考えていて、そしてすべての決断をしました。

      あとはやるだけです。

      スタバ太郎

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